2013年度の太陽光発電買い取り価格38円に/固定価格買取制度

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住宅用太陽光発電の買い取り価格4円引き下げ38円に

(2013年3月12日)

経済産業省の調達価格等算定委員会は3月11日、2013年度(平成25年度)の再生可能エネルギー固定買い取り価格案をまとめました。買い取り価格は、経済産業大臣が月内に最終決定することになります。
※ 3月29日、この価格で決定しました。

 

太陽光発電の買い取り価格のみが引き下げられ、それ以外の再生可能エネルギーの買い取り価格は据え置かれます。太陽光発電については、システム費用が2012年度(平成24年度)の調達価格算定時よりも下落しているからです。

 

住宅用太陽光発電(10kw未満)で調達価格等算定委員会が元にしているのは、太陽光補助金制度の交付決定実績データ(新築住宅設置)です。それによれば平均システム価格は、2012年1-3月期46.6万円/kwから2012年10-12月期42.7万円/kwへ、約8.4%下落しました。

【参考】 住宅用太陽光発電システムの価格動向

 

家庭(10kw未満)から買う場合は、42円/kwhから4円引き下げ38円/kwhに、メガソーラーなど大型施設(10kw以上)から買う場合は、42円/kwhから4.2円引き下げ37.8円/kwhに下がります。

 

一方、風力、地熱、中小水力、バイオマスは、太陽光発電ほど普及が進んでいないため、買い取り価格を据え置きます。

発電の種類

買い取り区分

2012年度
(円)

2013年度
(円)

買取期間
(年)

太陽光

10kw未満

42

38

10

10kw以上

42

37.8

20

風力

20kw未満

57.75

据え置き

20

20kw以上

23.1

据え置き

20

地熱

1.5万kw未満

42

据え置き

15

1.5万kw以上

27.3

据え置き

15

中小水力

発電能力に応じて3区分

25.2~35.7

据え置き

20

バイオマス

材質に応じて5区分

13.65~40.95

据え置き

20

※ 買取期間は、太陽光発電を含めすべて据え置き。

電気料金への上乗せ額は、全国平均で月120円

再生可能エネルギーで発電した電気は電力会社が買い取ります。しかし、電力会社が買い取る費用は電気料金に再生可能エネルギー発電促進賦課金として上乗せされます。

 

太陽光発電の設備が増えて電力会社が買い取る総量が増えるので、買い取り費用の総額は増えます。そのため、2013年度から太陽光発電の買い取り価格は下がるものの、電気料金に上乗せされる金額は逆に増えることになります。

 

経済産業相が11日に上乗せ額の試算を発表しました。標準的な家庭(月に300kwhの電力を使い、電気料金が月7,000円)の場合、2012年度の電気料金への上乗せ額は全国平均で月87円でしたが、2013年度は約38%増えて、全国平均で月120円上乗せされることになります。5月の電気料金から新たな額が適用されることになります。

住宅用太陽光発電の場合には余剰電力の買い取り(2015年3月頃まで)で、そのための費用は「太陽光発電促進付加金」として電気料金に上乗せされ、その金額は電力会社ごとに異なります。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は全国一律で4月まで0.22円/kwhです。5月から新しい単価に改定されます。つまり電気料金には、この2つの賦課金(付加金)が上乗せされているのです。

買い取り価格が下がっても利益が出る

今回の太陽光発電の買い取り価格引き下げに関して、自然エネルギー発電会社から「今後も設置を進めていける価格帯におさまった」という声が出るように、引き下げられはしましたが、利益が確実に出ることを重視した単価設定となっています。

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