家庭用リチウムイオン蓄電池を電機メーカーが相次ぎ投入

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家庭用リチウムイオン蓄電池を電機メーカーが相次ぎ投入

(2013年5月10日)

省エネ型住宅「スマートハウス」への採用や災害対策としての導入増を見込み、電機メーカーが家庭用リチウムイオン蓄電池の新製品を相次いで投入しています。

 

NEC

NECは、ITを活用した家庭用蓄電システムの販売を3月に始めました。ネットワーク経由で情報を処理するクラウドコンピューティング対応で、24時間の遠隔監視やメンテナンスを可能としています。こちらのリチウムイオン電池の蓄電容量は、5.53kwh。液晶テレビや冷蔵庫など、家電数台なら10時間ほど使えるようです。自動制御で、太陽光で発電した電気や夜間電力をためておけば、電気代の節約にもなります。

 

住宅メーカーを通じて7月から供給し、価格は三井ホームの場合で157万5千円。容量の割には比較的価格を低く設定しています。

 

京セラ

京セラは、5月から「リチウムイオン蓄電システム(TypeB)」の販売を開始。容量は7.2kwh。自社の太陽電池とセットでの受注も行っています。

 

HEMSと組み合わせ、部屋ごとの使用状況を「見える化」が可能です。

 

希望小売価格は240万円。太陽光発電システムとセットの場合、出力4.03kwの太陽光発電システムで492万6千円。

 

京セラでは、昨年8月より、太陽光発電と組み合わせることで、昼間は蓄電システムから電力を供給し、太陽電池で発電した電力はできるだけ多く売電する蓄電システムの販売を開始していました。これが「TypeA」です。ただ、このタイプはダブル発電とみなされ、太陽光発電と自家発電設備を併設した場合の売電価格が適用されます。

通常、家庭用太陽光発電(10kw未満)の売電単価は38円/kwhですが、ダブル発電となる場合には31円/kwhとなります(2013年度、税込)。

 

「TypeB」は、昼間、太陽光で発電した電力を優先的に使用して、電力会社からの電力購入を削減し、余剰電力を売電。夜間や雨天など太陽電池の発電が無い場合は、深夜に充電した蓄電池で賄います。そのため売電価格は、太陽光発電システムのみを設置する場合と同じ38円(税込)/kwhが適用となります。

「タイプA」と「タイプB」の違いを詳しく見る

 

楽天ソーラー「リチウムイオン蓄電池パッケージ」

楽天ソーラーが、この蓄電池を太陽光発電システムとセットで販売しています。蓄電池のみの購入・設置も可能です。比較的安く設置できるので、関心のある方は一度チェックしてみることをおすすめします。

楽天ソーラー「リチウムイオン蓄電池パッケージ」の詳細はこちら

 

日立マクセル

日立マクセルは、重さ約12㎏で持ち運び可能なリチウムイオン蓄電池を4月に発売しました。容量は255wh。最大出力1.2kwで、家電製品など動かせて、震災時の非常用電源として役立ちます。オープン価格で想定価格は16万円前後。

蓄電池の市場規模は2020年度には40倍

市場調査会社シード・プランニングの「定置用蓄電池/蓄電システムの市場動向調査結果」(2012年2月9日)によれば、2020年度の定置用蓄電池の市場規模は、2011年度比約40倍の935Mwhまで成長すると予測しています。

 

また、リチウムイオン電池の平均価格は1kwhあたり51.2万円(2011年度)です。

 

蓄電池は、今後、電気自動車やハイブリッド車に大量に搭載されていくでしょう。そうなれば、性能は飛躍的に向上し、出荷数も伸びることから価格の低下も期待できます。環境意識が高く、ぜひ設置したいという方にはおすすめですが、あえて今、蓄電池まで設置することもないでしょう。まずは、太陽光発電からはじめるのがよいと思います。

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