再生エネ発電設備の認定制度見直し/電力会社との契約を条件に

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電力会社との系統接続契約が条件に

(2015年9月30日)

経済産業省は、再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(9月25日)で、認定制度の見直し案を示し、小委員会は大筋で了承しました。今後、制度の詳細を詰め、来年の通常国会で関連法の整備をめざします。

 

認定時期を後ろにずらし、電力会社との系統接続契約の締結を認定の条件とし、事業そのものを登録する形とします。

 

また、適切な点検・保守や発電量の的確な計測など遵守事項を定め、発電開始後の監視体制を強化します。違反した場合は改善命令を出し、命令に従わないときは認定を取り消します。

 

さらに、認定情報を原則公開する方向です。家庭用については一定の配慮を行う見通しです。

 

未稼働案件の解消がねらい

現行制度では、まず買取対象となる発電を国が認定し、その後、電力会社に系統接続を申し込み、契約する流れです。発電事業者の接続申込に電力会社が応じる義務を課すために、事前に国が設備認定する仕組みになっています。

 

この場合、事業確度が低い初期段階で認定することになるので、結果的に「未稼働案件」の増加につながりました。

 

実際、今年9月時点で、2014年度は、件数ベースで52%、出力ベースで90%が未稼働のままです。2013年度でも、件数ベースで42%、出力ベースで81%が未稼働という状況です。

 

つまり、発電を始めたのは出力ベースで1~2割。約半分が買取価格の高い、2012、2013年度の認定です。

 

年度 件数(万件) 出力(万kW)
認定 未稼働 認定 未稼働
2012

45.4

6.1
(13%)

1,779

762
(43%)

2013

71.9

30.2
(42%)

4,069

3,286
(81%)

2014

48.0

24.8
(52%)

2,207

1,994
(90%)

※ 第2回 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会の資料より

 

電力会社との契約後に認定する新制度を導入するのは、買取価格が高いうちに認定を受け、設備費用が下がるまで着工しない「空押さえ」を排除するのがねらいです。

 

そのことにより、低コストの後発事業者が参入しやすくなることが期待できます。

 

ただし、未稼働が多いのは「空押さえ」する悪質な事業者ばかりではありません。電力会社側の都合で契約が遅れ、稼働にまで至っていないケースがあることにも目を向ける必要があるでしょう。昨年の秋に、電力会社が突然、接続中断を発表したことは記憶に新しいところです。

 

現行制度

事業計画⇒認定⇒電力会社へ接続申込⇒契約⇒工事⇒運転開始

 

新制度

事業計画⇒電力会社へ接続申込⇒契約認定⇒工事⇒運転開始

 

すでに認定を受けながら発電を開始していない場合、一定期間内に新制度での認定が必要となります。

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