【太陽光発電 Q&A】公称最大出力と実際の出力の差はどれくらい?

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【太陽光発電 Q&A】

太陽光発電システムの公称出力と実際の出力の差はどれくらい?

太陽電池の公称最大出力(定格出力)は、JIS(日本工業標準調査会)が定めた「基準状態」で算出された値で示されます。

 

「規準状態」というのは、例えば、太陽電池モジュールの表面温度を25℃、日射強度1,000w/㎡といったようなものです。

 

実際の出力は、一般的に公称最大出力よりも低くなります。出力を下げる要因は次のようなものです。

 

もともとある誤差

工場から出荷される太陽電池モジュールは、定格出力の誤差±10%以内ならOKとされています。例えば定格出力が150wのモジュールならば、135w以上の能力があれば出荷してよいというわけです。

 

設置環境

設置場所によっても出力は変わります。定格出力を計測する「基準状態」と同じ自然環境というものは、そうあるものではありません。日射量や気温、周辺の環境、屋根の方位や角度など、同じ条件のものは1つとしてありません。

 

太陽電池の特性

例えば、出力が最も高い結晶シリコン太陽電池は、熱に弱いという特性があります。温度が1℃上昇すると、出力が0.45%低下するとされています。実際に屋根に設置すると、太陽光パネル表面温度は外気温に比べて20~40℃程度高めになるので、出力が10~20%低下します。

 

パネル表面の汚れ

太陽電池モジュール表面の汚れなどで出力が1~2%程度低下するとされています。
 ※ JQA(日本品質保証機構)の試験結果より。

 

エネルギーロスにより発電量は減る

このように出力が低下することとあわせ、エネルギーロスにより発電量が減ります。太陽光発電は火力発電などと違ってエネルギーロスは約10%程度で非常に少ないのですが、それでもロスがあります。

 

おもな要因は、パワーコンディショナーで直流から交流へ変換するときのロスです。約5%の電力損失があります。パワーコンディショナーに電気を送る接続箱では約2%の電力を損失します。

 

最近はパワーコンディショナーの電力変換効率も向上しています。詳しくはこちら

 

その結果、実際に太陽光発電システムを稼働させて得られる発電量は、晴天時でも定格出力による理論値の約70~75%になるといわれています。

 

このことから、実際の出力は定格出力の約7割とされています。

 

これは、「期待した通りの発電量が得られない」といったクレームの原因にもなっているようです。これから太陽光発電システムを設置する場合には知っておきたい点です。

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